茨城県下妻市大宝、大宝八幡宮の大きな鳥居をくぐり抜けた先に、明治元年創業の「ゑびすや」があります。ラーメンやボリュームたっぷりの定食、甘味などバラエティーに富んだメニューが味わえる食事所として親しまれています。
また、開運祈願にちなんだ土産物も豊富に並んでいるので、「仲見世」の一つとして多くの参拝者が立ち寄ります。
茨城県産米粉と北海道産小豆
そんな「えびすや」の一番の名物が「厄除け団子」です。
八幡太郎義家(源義家)が1083(永保3)年の奥州征伐に際して、大宝八幡宮に先勝祈願しだんごを献上しました。これにちなみ、邪気を払うとされる小豆にあやかり、丹精込めて作り上げただんごに「厄除け団子」と命名、創業時から変わらぬ味を提供しています。
だんごは、茨城県産の米を使用。精白したうるち米を洗って乾燥させた後に、細かい粉にした米粉を使用するので、粘りが少なく歯切れ良く、こしと歯応えがあるのが特徴です。
また、あんには北海道産小豆を使い、粒は小さめで風味豊かで皮も実も柔らかく、味に癖がないのが特徴です。さらした小豆を高温でゆっくりと練り機で仕上げ、一定の温度で保管しながら提供しています。
現在は、4代目の須永真士さんと妻の純子さん、そして長男で5代目の雄暦(ゆうま)さんが店を切り盛りしています。
5代目が手がける、デザートメニューが人気!
一番人気はもちろん「厄除け団子」ですが、5代目が店を手伝うようになった4年前からデザートメニューも充実。特に5月~9月中旬の夏季期間限定で販売する「かき氷」は、開店から閉店までずっと氷を削っていることもあるほどの人気商品になっています。5代目が都内のかき氷店を食べ歩き、氷のフォルムを三角から丸に変えるなど、現在の流行を取り入れたそうです。
オーダーが最も多いのは「抹茶練乳」です。別皿で「厄除け団子」が添えられているので、ふわふわな抹茶練乳の氷と一緒に食べても、団子だけをそのまま食べても、お好みでOKです。本場の京都宇治抹茶を取り寄せ、オリジナルの抹茶ソースを作成し、提供しています。ソースも別添えなので、お客さんが自分の好きな量を掛けながら食べるスタイルです。
氷は「純氷」を常温にしてから提供するのため、頭がキーンと痛くなることなく、ふわっとした食感も楽しめます。
夏にかけてイベント盛りだくさんの大宝八幡宮。参拝の際は「ゑびすや」で、涼しく開運祈願してみてはいかがでしょうか。