茨城県筑西市内、およそ100万平方メートルの広大な敷地に広がる「ザ・ヒロサワ・シティ」は、総合企業グループ「広沢グループ」が運営しており、廣澤美術館、テーマパーク「ユメノバ」、下館ゴルフ倶楽部、宿泊施設など多くの施設があります。3回目は宇宙館、消防自動車博物館、クラシックカー博物館を中心に紹介します!
「宇宙館:で日本の宇宙開発史に触れる
前回紹介した「科博廣澤航空博物館」を出ると、「宇宙館」があります。館内には、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から寄贈された「ペンシルロケット」と発射台が展示されています。
日本の宇宙開発のスタートとなったペンシルロケットは、東京大学生産技術研究所を中心に、1955(昭和30)年4月に初飛行しました。ロケットというと巨大なものを想像しますが、ペンシルロケットは長さ23センチ、重さ200グラム、燃料は無煙火薬と黒色火薬で、最高速度は時速270キロメートルでした。もちろん大気圏を離脱することはできません。実験によって得られたデータが、その後の国産初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げから続く、日本の宇宙開発の基礎となりました。
実験を主導したのは「日本の宇宙開発、ロケット開発の父」と称される糸川英夫博士。探査機「はやぶさ」が着陸してサンプルリターンに成功した小惑星「イトカワ」の名前の元になった方です。糸川博士の業績を振り返ることのできるパネル展示も充実しています。
消防の歴史が詰まった「消防自動車博物館」
「消防自動車博物館」には、絵本でおなじみの「じぶた号」、小回りの利くオート三輪の消防車など、今では目にすることのできない、国内外の貴重な消防自動車27台が展示されています。実際に運転席に乗ってサイレンを鳴らすことのできる車体もあり、多くの子どもたちが歓声を上げながら鳴らしていました。
展示品の中でも気になったのは、1924(大正13)年に配備された陸王・小林式オートバイポンプ。大正時代にハーレーダビッドソンの側車(サイドカー)部分にポンプを設置したもので、唯一現存する貴重な車体だそうです。
ほかにも、消火活動に使用した道具や頭巾などの防火衣装なども展示されており、日本の消防の歴史を学ぶことができます。
展示物はミニでも見応え充分な「ミニカー館」
消防自動車博物館の脇には「ミニカー館」があります。消防自動車博物館長を務める鈴木靖幸さんが国内外で収集した、貴重なコレクションが収蔵されています。展示されているのは「消防車」5000点、「救急車」2000点。消防車と救急車のミニカーがこれほど存在することに、驚かされます。1台ずつ眺めていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
今も動く! 「クラシックカー博物館」
「クラシックカー博物館」には、ロールスロイスシルバーレイス、キャデラックエルドラド、ボルボアマゾン、スパークカソ、マツダT600、マツダT2000、シトロエン2CVなど、欧米の名車が多数展示されています。ナンバープレートが付いている車体も多く、これらの車は今も毎日エンジンを始動させて動作確認しているそうです。
中でも、歴史遺産車に登録されている「筑波号」は、1934(昭和9)~38(昭和13)年に東京自動車製造(株)が生産した国産初の前輪駆動小型車です。製造コストが高く、故障も多かったこと、戦前という時代もあり、約130台が製造されたものの、製造中止となりました。
船やオートバイの展示まで
「ユメノバ」に他に「船の博物館」もあります。クルーザー3隻、屋形船1隻が池に展示されています。屋形船は内部が洋風に変更されており、筑波山にちなんで「紫峰丸」と名付けられています。
「クラシックバイク博物館」、「ホンダバイク館」には、ハーレーダビッドソン、ドゥカティ、ホンダのクラシックバイクが展示されています。入館するには一度「ユメノバ」の外に出る必要があります。追加費用はかかりません。
「ユメノバ」は、「陸」「海」「空」「宇宙」、全てを網羅した展示が詰まった、まさに「夢の場」でした。
住所:茨城県筑西市徳持
(カーナビで検索する場合は「下館ゴルフ倶楽部」または「0296-20-1111」と入力)
電話:0296-48-7417
営業時間:午前10時~午後5時
休園日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
入場料:大人2500円 高校生・大学生、1000円
中学生700円 小学生500円
10名を超える団体での利用の際は事前に連絡をお願いします
ホームページ:https://www.shimodate.jp/index.html