ファミリーや初心者も気軽に登れる、日本百名山で最も標高の低い筑波山(887メートル)を中心とする筑波連山。今回は茨城県桜川市真壁町から「きのこ山」(標高527.7メートル)、関東ふれあいの道の一部・通称「幽霊林道」をへて一筆書きで戻るコースを、「とりぷれ」ライター仲間の小波来さんとちょっとだけビビりながら歩いてみました。
重伝建の町からスタート!
この日(5月25日土曜日)は好天に恵まれ、午前9時前に茨城県桜川市真壁町の市営高上町駐車場を出発しました。
重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の町並みを歩き、新緑美しい「きのこ山」の麓に向かって、真壁城跡を右手に見ながら快調に歩を進めます。
桜川市の「みかげスポーツ公園」(同市真壁町桜井)付近から上りになり、舗装された道路を歩いていると、「きのこ山」の看板が現れました。ここから山道になりますが、一度舗装路に出て、もう一度山道に入ります。「きのこ山」登山の事実上のスタートです。
「きのこ山」の名称の由来は定かではありませんが、少なくともキノコをほうふつさせる山容ではありません。小波来さんによりますと、マツタケなども採れたそうで、かつてはキノコがたくさん生えたのかもしれませんね。
登山道は、森の中を進んでいくような感じで、比較的なだらかです。加波山同様に眺望には乏しいものの、木の階段が一部に整備されているなど登りやすくなっています。看板によれば、桜川市真壁町の中心部に近いサイクリングロード「つくば霞ケ浦りんりんロード」真壁休憩所(旧真壁駅)から山頂まで、距離はおよそ3.6キロになります。
本格的に登り始めてからおよそ40分、やぶを抜けると視界が開けました。ハンググライダー、パラグライダーの離陸場です。桜川市真壁町の町並みが眺望できます。この日は少しかすんでしまって日光連山までは見えませんでしたが、素晴らしい景色に癒やされます。
北筑波稜線林道を横切ってさらに登ると、東屋が見えてきました。景色が見えず、あまり気持ちのいい所ではありませんが、このあたりが「きのこ山」山頂。スタートから約1時間15分で着いたので、とりあえず順調です。せっかくなので東屋で休憩します。ファミリー登山なら、「みかげスポーツ公園」に車を止めてここまで登り、ここからピストンで戻るというのもありかもしれません。
10分ほど休んで再スタート。ここから先は緩やかな下りになります。上曽峠(標高309メートル)まで約2.7キロ。北筑波稜線林道を行かずに、それと並行するように整備された山道を行きます。ただ、急な下りやルートが少し分かりづらい箇所があったので、やはりヤマップの登山アプリを事前にダウンロードしておいた方がいいでしょう。
35分ほど歩いて午前11時ごろに、県道石岡筑西線と北筑波稜線林道が交差する上曽峠に到着しました。
いよいよ、いわくつき(?) の山道へ
上曽峠からは林道に入り、県道月岡真壁線の湯袋峠(標高250メートル)方面を目指します。この2つの峠をつなぐ道が「幽霊林道」と呼ばれており、ここを歩くのが今回の主な目的でもあります。以前は出入り口に車止めが設置されていて、車両の通行ができませんでした。現在は撤去されています。
なぜ「幽霊林道」と呼ばれているのか、ここでは詳述しませんが、ごみの不法投棄が多く、さらに事件・事故にまつわる話、都市伝説的なものがいくつかあることなどが由来しているようです。肝試しに来る人もいますし、撮影に来たユーチューバーもいました。いずれにしても、昼間でも薄暗く、道も荒れているため日没後に、特に1人では歩かない方がいいのは言うまでもありません。
さあ、「幽霊林道」に入ります。そして、そこで不可解な体験をすることになります。
※筑波連山登山の過去記事